社会的地位向上・自分磨き・安定……日本人の「立身出世」を考える:「会社の社会史」第2シーズン始まります【特別ニュースレター】
誠品生活日本橋とのコラボレーションでお届けするWORKSIGHTイベントシリーズ「会社の社会史」の第2シーズンがいよいよ今月よりスタート。今期は「奉公・出世・起業」「会社と宗教」「オフィスとサラリーマン」をテーマに日本人と「会社」の関係性を考えます。第1回は4/18(火)に開催!ただいまお申し込みを受付中です。
昨年11月からスタートした全7回のイベントシリーズ「会社の社会史-どこから来て、どこへ行くのか-」。民俗学者の畑中章宏さんとともに、改めて日本人と会社をめぐる、わかったようでわからない関係性を考え直す、〈経営民俗学〉という新たな試みです。
本日の特別ニュースレターでは、今月よりスタートする「会社の社会史」の第2シーズンをご案内します。今期はさらに学びを深めていただくため、第1シーズンよりイベント形式をアップデート。パネラーが選んだ課題図書を参加者の皆様と一緒に読み解くワークショップ形式で密にディスカッションを交わしながら、私たちの社会に尊大に構える「会社」の謎に迫っていきます。奮ってのご参加をお待ちしています!
1920年代後半から1930年代にかけて生まれた新しいスタイルのポスター。スローガンを大胆に押し出したデザインで大衆に影響力をもった Photo by: Pictures From History/Universal Images Group via Getty Images
日本人にとって「会社」とは何なのか。「社員」であるということは、一体何を意味しているのか。明治期において、同じ意味として使われたこともあるという「会社」と「社会」。日本人にとって、いまなお「会社」も「社会」もよくわからないものとしてあり続けているのかもしれません。
これまでに開催した第1シーズン(全3回)では「社会」「資本主義」「家父長制」といった切り口から「会社」の姿を考えてきました。第1回と第2回の内容はニュースレターにて配信済みの下記記事よりお読みいただけます。イベント前のおさらいにもぜひご一読ください。
お申し込み受付中!
会社の社会史| 第2シーズン(全3回)
第2シーズンのお題は「奉公・出世・起業」「会社と宗教」「オフィスとサラリーマン」。イベントでは、各回のテーマに合わせて、パネラーが選んだ課題図書を参加者の皆様と一緒に読み解きながら、私たちの社会のなかで異様な存在感を放つ「会社」の語られざる正体を探ります。民俗学者の畑中章宏さん、WORKSIGHT編集部から山下正太郎、若林恵のパネラー3名に加えて、第2期からはモデレーターとしてヨコク研究所の工藤沙希が出演します。事前に課題図書を読むもよし、当日気になった本を後追いで読むもよし。日本人と「会社」をめぐるもやもやについて、一緒に学びましょう。
【各回のテーマと課題図書】
第1回「奉公・出世・起業 ービジネスで『身を立てる』ということー」
▼課題図書
『日本近代社会史─社会集団と市場から読み解く 1868-1914』松沢裕作|有斐閣
『立志・苦学・出世─受験生の社会史』竹内洋|講談社学術文庫
第2回「会社と宗教 カリスマ経営者とその霊性」
▼課題図書
『「修養」の日本近代─自分磨きの150年をたどる』大澤絢子|NHKブックス
『会社のなかの宗教─経営人類学の視点』中牧弘允・日置弘一郎編|東方出版
第3回「オフィスとサラリーマン 「サラリーマン」とは何ものなのか?」
▼課題図書
『〈サラリーマン〉の文化史─あるいは「家族」と「安定」の近現代史』鈴木貴宇|青弓社
『不倫─実証分析が示す全貌』五十嵐彰・迫田さやか|中公新書
【イベント概要】
■日時(終了時間は目安です)
〈第1回〉4月18日(火)19:00~20:30
〈第2回〉5月16日(火)19:00~20:30
〈第3回〉6月20日(火)19:00~20:30
■開催形式
会場とオンラインの同時開催
会場|誠品生活日本橋内 イベントスペース「FORUM」(COREDO室町テラス2F)
オンライン|Zoomウェビナー
■参加費
〈全3回 通しチケット〉
会場観覧|4,000円(税込)
オンライン|3,500円(税込)
■出演
パネラー|畑中章宏(民俗学者)、山下正太郎(WORKSIGHT編集長・コクヨ ヨコク研究所所長)、若林恵(黒鳥社)
モデレーター|工藤沙希(WORKSIGHT編集員・コクヨ ヨコク研究所研究員)
■主催
誠品生活日本橋+WORKSIGHT
■お申し込み(リンク先にて会場観覧またはオンラインをご選択ください)
なお、第1回「奉公・出世・起業 ービジネスで『身を立てる』ということー」の単回チケットもご用意しております。通しチケットとはお申し込みページが異なりますのでご注意ください。
■参加費
〈第1回 単回チケット〉
会場観覧|1,500円(税込)
オンライン|1,000円(税込)
■お申し込み(リンク先にて会場観覧またはオンラインをご選択ください)
■出演
畑中章宏|Akihiro Hatanaka
1962年、大阪府生まれ。民俗学者。民間信仰・災害伝承から最新流行の風俗まで幅広い対象に取り組む。著書に『災害と妖怪』『忘れられた日本憲法』(ともに亜紀書房)、『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ともにちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』『医療民俗学序説』(ともに春秋社)ほか多数。
山下正太郎|Shotaro Yamashita
本誌編集長/コクヨ ヨコク研究所・ワークスタイル研究所 所長。2011年『WORKSIGHT』創刊。同年、未来の働き方を考える研究機関「WORKSIGHT LAB.」(現ワークスタイル研究所)を立ち上げる。2019年より、京都工芸繊維大学 特任准教授を兼任。2022年、未来社会のオルタナティブを研究/実践するリサーチ&デザインラボ「ヨコク研究所」を設立。
若林恵|Kei Wakabayashi
黒鳥社コンテンツディレクター。平凡社『月刊太陽』編集部を経て 2000年にフリー編集者として独立。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社設立。著書『さよなら未来』(岩波書店・2018年4月刊行)、責任編集『次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方』、『週刊だえん問答』など。「こんにちは未来」「blkswn jukebox」「音読ブラックスワン」などのポッドキャストの企画制作でも知られる。
工藤沙希|Saki Kudo
1991年青森県生まれ。コクヨ ヨコク研究所研究員/WORKSIGHT編集員。「選べなさ」「社縁」「現代私祭」などへの関心を軸に、民俗学的な視点でのフィールドワーク、聞き取り、参与観察などの質的調査を中心とした社会研究に取り組む。