『ラジカル・マーケット:脱・私有財産の世紀』の著書で知られるグレン・ワイルと、台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タンがタッグを組んで著した『PLURALITY(プルラリティ):協働テクノロジーと民主主義の未来』は、21世紀型の「デジタル・デモクラシー」を単に事例ベースのケーススタディに終わらせることなく、より広いスコープから、新たな社会科学として定位することを試みる。そのために、ワイルとタンは、台湾の市民社会の伝統に深く分け入るだけでなく、西洋思想史やテック史のなかからユニークな論点を拾い上げ、タンがこれまで駆け抜けてきたデジタルを用いた社会改革の道筋を地固めしていく。これが意外性に富んでいてなかなか面白い。駆け足ながら順番に見ていこう。
デジタル時代に必要な社会思想:グレン・ワイルとオードリー・タンの新著『PLURALITY(プルラリティ):協働テクノロジーと民主主義の未来』を読む
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デジタル時代に必要な社会思想:グレン・ワイルとオードリー・タンの新著『PLURALITY(プルラリティ):協働テクノロジーと民主主義の未来』を読む
『ラジカル・マーケット:脱・私有財産の世紀』の著書で知られるグレン・ワイルと、台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タンがタッグを組んで著した『PLURALITY(プルラリティ):協働テクノロジーと民主主義の未来』は、21世紀型の「デジタル・デモクラシー」を単に事例ベースのケーススタディに終わらせることなく、より広いスコープから、新たな社会科学として定位することを試みる。そのために、ワイルとタンは、台湾の市民社会の伝統に深く分け入るだけでなく、西洋思想史やテック史のなかからユニークな論点を拾い上げ、タンがこれまで駆け抜けてきたデジタルを用いた社会改革の道筋を地固めしていく。これが意外性に富んでいてなかなか面白い。駆け足ながら順番に見ていこう。