料理本で旅する:未知の世界へと誘う33冊のクックブック(WORKSIGHTプリント版・23号「料理と場所 Plates & Places」より)
年に4回プリント版を発行しているWORKSIGHT。年末の特別ニュースレターとして、各号の特集テーマに合わせて選書したブックリストをプリント版より転載して4日連続でお届けいたします。第2弾となる本日は、プリント版23号「料理と場所」に掲載した33冊をご紹介。
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4日連続でお届けする年末特別ニュースレターでは、これまでに発行したプリント版より、各号の特集テーマに合わせてWORKSIGHTが選書したブックリストをお届けします。
第2弾は、2024年5月15日刊行の『WORKSIGHT[ワークサイト]23号 料理と場所 Plates & Places』より、「料理本で旅する:未知の世界へと誘う33冊のクックブック」に掲載した書籍をご紹介。「時代を旅する」「作家の世界を旅する」「架空の世界を旅する」「遠い異国を旅する」「日常を旅する」の5テーマから、いざ未知の世界へ!
料理本で旅する
未知の世界へと誘う33冊のクックブック
詩人の関口涼子は、レシピは「五感のアーカイブだ」と書いた。そこには、その時代に、その場所に生きる人たちに関わる、多種多様な経済・社会・文化情報が圧縮され詰まっている。であればこそ、レシピを「解凍」し、料理をつくることは、遠い世界を旅するにも似た体験になりうる。料理本は旅行ガイドなのだ。33冊のクックブックから、いざ未知の世界へ旅立とう。
Compiled by WORKSIGHT
時代を旅する
(左から)1.『ノスタルジア食堂:東欧旧社会主義国のレシピ63』、4.『甘葛煎再現プロジェクト:よみがえる古代の甘味料』、6.『The Women’s Suffrage Cookery Book』7.『The Suffragette Cookbook』
1.『ノスタルジア食堂:東欧旧社会主義国のレシピ63』イスクラ・著(グラフィック社)
2.『〈新装版〉亡命ロシア料理』ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス・著/沼野充義、北川和美、守屋愛・訳(未知谷)
3.『現代語訳 豆腐百珍』何必醇・著/福田浩・訳(中公文庫)
4.『甘葛煎再現プロジェクト:よみがえる古代の甘味料』山辺規子・著(かもがわ出版)
5.『あんこのお菓子帖:京菓子司「亀屋良長」』亀屋良長・著(文化出版局)
6.『The Women’s Suffrage Cookery Book』Aubrey Dowson・編(British Library Board)
7.『The Suffragette Cookbook』Kate Williams・著(Hodder Studio)
8.『琉球菓子』安次富順子・著(沖縄タイムス社)
作家の世界を旅する
9.『エミリ・ディキンスンのお料理手帖』エミリ・ディキンスン・著/松尾晋平・監修/武田雅子、鵜野ひろ子・訳(山口書店)
10.『L.M.モンゴメリの「赤毛のアン」クックブック:料理で楽しむ物語の世界』ケイト・マクドナルド、L.M.モンゴメリ・著/岡本千晶・訳(原書房)
11.『マルグリット・デュラスの食卓』マルグリット・デュラス・著/樋口仁枝・訳(悠書館)
12.『向田邦子の手料理』向田和子・監修 料理製作(講談社)
架空の世界を旅する
(左から)15.『The Witcher Official Cookbook: Provisions, Fare, and Culinary Tales from Travels Across the Continent』、19.『ダニー・トレホのタコスを喰え!:「最凶」の漢による「最高」のL.A.スタイル・メキシカン・レシピ75』、22.『ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)』、23.『Falastin: A Cookbook』
13.『ピーターラビットのたのしい料理』ビアトリクス・ポター・画/フレデリック・ウォーン社・編/北野佐久子・訳(福音館書店)
14.『シネマ&フード:映画を食卓に連れて帰ろう』CUEL・料理/小泉佳春・写真(KADOKAWA)
15.『The Witcher Official Cookbook: Provisions, Fare, and Culinary Tales from Travels Across the Continent』Anita Sarna、Karolina Krupecka・著(Ten Speed Press)
16.『Diablo: The Official Cookbook Recipes and Tales from the Inns of Sanctuary』Andy Lunique、Rick Barba・著(Insight Editions)
遠い異国を旅する
17.『地球のかじり方:世界のレシピBOOK』地球の歩き方編集室・監修/佐藤わか子・料理制作(Gakken)
18.『南米野外料理:アサード』アディ・ビッターマン、フランツ・グレーシング、ユルゲン・ケルネッガー、レオ・グラードゥル・著/田中ケン・監修/青木柊・訳(グラフィック社)
19.『ダニー・トレホのタコスを喰え!:「最凶」の漢による「最高」のL.A.スタイル・メキシカン・レシピ75』ダニー・トレホwithヒュー・ガーヴェイ・著/加藤輝美・訳(晶文社)
20.『アメリカ南部の家庭料理』アンダーソン夏代・著(アノニマ・スタジオ)
21.『スヌープ・ドッグのお料理教室:ボス・ドッグのキッチンから60のプラチナ極上レシピ』スヌープ・ドッグ・著/KANA・訳(晶文社)
22.『ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)』関口涼子・著(講談社)
23.『Falastin: A Cookbook』Sami Tamimi、Tara Wigley・著(Ten Speed Press)
24.『世界の豆料理:中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』誠文堂新光社・編(誠文堂新光社)
日常を旅する
(左から)25.『自炊者になるための26週』、32.『ミニマル料理:最小限の材料で最大のおいしさを手に入れる現代のレシピ85』、33.『ホットドッグの発想と組み立て:ソーセージづくり、ホットドッグづくりの基礎からアレンジ、オリジナル創作まで』
25.『自炊者になるための26週』三浦哲哉・著(朝日出版社)
26.『一生食べたいカツ代流レシピ』小林カツ代、本田明子・著(文春新書)
27.『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』ウー・ウェン・著(高橋書店)
28.『手軽 あっさり 毎日食べたい:あたらしい家中華』酒徒・著(マガジンハウス)
29.『わたしの献立日記』沢村貞子・著(中公文庫)
30.『オードリー at Home〈改訂版〉:母の台所の思い出 レシピ、写真、家族のものがたり』ルカ・ドッティ、ルイージ・スピノーラ・著/網野千代美・訳(フォーイン スクリーンプレイ事業部)
31. 『はじめての精進料理:基礎から学ぶ野菜の料理』高梨尚之・著(東京書籍)
32.『ミニマル料理:最小限の材料で最大のおいしさを手に入れる現代のレシピ85』稲田俊輔・著(柴田書店)
33.『ホットドッグの発想と組み立て:ソーセージづくり、ホットドッグづくりの基礎からアレンジ、オリジナル創作まで』恩海洋平・著(誠文堂新光社)
photo by Hironori Kim
書籍『WORKSIGHT[ワークサイト]23号 料理と場所 Plates & Places』
どんなにグローバリゼーションが進もうと、料理は「その時/その場所」でしか味わえない。どんなに世界が情報化されようと、「食べること」はバーチャル化できない。料理を味わうという体験は、いつだってローカルでフィジカルだ。歴史化されぬまま日々更新されていく「その時/その場所」の営みを、23の断章から掘り起こす。WORKSIGHT史上、最もお腹がすく特集。
◉エッセイ
#1「サフラジストの台所」山下正太郎
#2「縁側にて」関口涼子
#3「バーガー進化論」ジェイ・リー/ブルックス・ヘッドリー
#4「ハイジのスープ」イスクラ
#5「素晴らしき早餐」門司紀子
#6「トリパス公園の誘惑」岩間香純
#7「パレスチナ、大地の味」サミ・タミミ
#8「砂漠のワイルドスタイル」鷹鳥屋明
#9「ふたりの脱北者」周永河
#10「マニプールの豚」佐々木美佳
#11「ディストピアの味わい」The Water Museum
#12「塀の中の懲りないレシピ」シューリ・ング
#13「慎んで祖業を墜すことなかれ」矢代真也
#14「アジアンサイケ空想」Ardneks
#15「アメイジング・オリエンタル」Go Kurosawa
#16「旅のルーティン」合田真
#17「タコスと経営」溝渕由樹
#18「摩天楼ジャパレス戦記」佐久間裕美子
#19「石炭を舐める」吉田勝信
#20「パーシャとナレシュカ」小原一真
#21「エベレストのジャガイモ」古川不可知
#22「火光三昧の現場へ」野平宗弘
#23「収容所とただのピザ」今日マチ子
◉ブックガイド
料理本で旅する 未知の世界へと誘う33 冊のクックブック
◉表紙イラスト
今日マチ子
書名:『WORKSIGHT[ワークサイト]23号 料理と場所 Plates & Places』
編集:WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
ISBN:978-4-7615-0930-9
アートディレクション:藤田裕美
発行日:2024年5月15日(水)
発行:コクヨ
発売:学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税