キーボード、つくってみたらどうなった?:自作キーボード専門店・遊舎工房が広げた「つくる」コミュニティ
日常的に使用するキーボード。それを左右に分割してみたり、超コンパクトにしてみたり、はたまたカラフルなキーに変えてみたり……。そんなユニークなキーボードを自分でつくるムーブメントが盛り上がりを見せている。そのコミュニティのハブとなるのが、秋葉原にある自作キーボード専門店・遊舎工房だ。同店の歩みをたどりながら、世にも不思議な自作キーボードの世界に潜入する!
キーボードをまるでプラモデルのように部品から組み立ててつくる「自作キーボード」が、この数年で静かなブームとなっている。全国に点在する愛好家たちは独自の機能や形状を追求して外観や基板を設計し、それをプロダクトとしてSNS上で発表する。安価に部品を入手するため、希望者を募って一括して購入するグループバイの仕組みも構築されるなど、独自の生態系が広がっている。2025年5月に開催された国内最大規模のコミュニティイベント「キーケット」は、58サークル・11社が出展し、来場者はおよそ2000人。あまりの混雑に入場制限がかかるほどだった。
キーそれぞれが独立した構造をもつメカニカルキーボードの市場に限っても、世界で年間4000万台超が出荷され、日本だけで年間300万台以上が販売されているとされる。そのうち1割強がDIY(自作)に挑戦しているというデータもあり、愛好家のあいだで「自分でつくるキーボード」は確実に選択肢のひとつになりつつある。 
こうしたムーブメントの中心で、個人の創作とメーカーのものづくりをつなぐハブとして機能してきたのが、秋葉原・末広町の日本初の自作キーボード専門店・遊舎工房だ。自作キーボード文化がなぜここまで活性化しているのか、創業者の倉内誠と企画部の今村健太に聞いた。(巻末でWORKSIGHT読者へ向けた、遊舎工房おすすめキーボードも紹介!)
photographs by Yuki Aizawa
interview and text by Sho Kobayashi
倉内誠|Makoto Kurauchi 株式会社遊舎工房顧問。2018年に遊舎工房を創業。2019年に日本初の自作キーボード専門店を秋葉原にオープン。2010年代より自作キーボード作家としても活動。
今村健太|Kenta Imamura 株式会社遊舎工房企画部。自作キーボードに関心があり、2023年より遊舎工房で勤務。
キーボードは「自分にもつくれそう」だった
──倉内さんは2018年の遊舎工房創業以前から自作キーボードの設計や販売を行っていたそうですね。そもそもどのような経緯でキーボードを自分でつくるようになったのでしょうか。
倉内 わたしが自作キーボードの存在を知ったのは2017年のことです。当時、プロトタイピング用のマイコンボード「アルデュイーノ」(Arduino)が流行しており、それをきっかけに電子工作にのめりこむようになりました。専門的な経験はありませんでしたが、アルデュイーノは初心者でも扱いやすく、試行錯誤を楽しんでいました。そんなとき、ウェブ上で自作キーボードをつくる人たちがいることを知って衝撃を受け、「これなら自分にもできそうだ」と感じたんです。
──電子工作の経験がないのでイメージできないのですが、キーボードをつくるのはそんなに簡単なことなのでしょうか? 遊舎工房の店舗を拝見したのですが、基板などのパーツを自分ではんだ付けする必要があるものも多く、正直キーボードを組み立てるのは大変そうだな……と感じていました。
今村 見た目の印象と違い、キーボードの構成はとてもシンプルなんです。基板とマイコンボード、既製品のキースイッチとキーキャップを組み合わせれば成立します。モーターや電池など複雑な可動部が必要なロボット工作と比べると、必要な知識はずっと少ない。初心者講習会で使う「Practice Board」なら、キー数も少なく、未経験者でも2時間ほどで組み立てられますよ。
──なるほど。他の電気工作に比べると取り組みやすいプロダクトだったんですね。倉内さんは当時どのようなキーボードをつくっていたんですか。
倉内 最初に手がけたのは、左右に分かれた形状の「分割キーボード」でした。自分の指の動きに合うようにキー配置や形状を考え、基板のデータを作成して業者に発注し、届いた基板にマイコンをはんだ付けして仕上げていく、という手順でつくっていました。当初は自分用に楽しんでいたのですが、製作過程や完成品をTwitterに投稿するうちに、同じ興味をもつ仲間が集まり、大きな反響をいただくようになったんです。その頃から、「せっかくなら自分だけでなく、コミュニティの人たちにも使ってもらえるものをつくりたい」と思うようになりました。
そうして設計したのが、薄型の分割キーボード「Helix」です。水平・垂直にキーが並ぶ格子配列を採用し、もち運びやすいコンパクトさを実現しました。当時、市販品にはほとんどない構造だったのもあり、海外コミュニティで行われていたグループバイ(共同購入)を試験的にSNSで呼びかけてみたところ、3日で150件もの注文が入ったんです。自作キーボードの潜在的な需要を実感した瞬間でした。その後、継続的に届ける仕組みが必要だと考え、遊舎工房のオンラインショップ設立へとつながります。
遊舎工房設立時からアップデートを重ねて現在も販売されているHelixシリーズ。一般的なキーボードに比べキー数を絞ってコンパクト化を図っているのがポイント。左右の最下段にある金色のキーを押しながら操作することで、別のキー入力ができるようになっている
──自作キーボードへの注目の高まりを感じられるエピソードですが、当時のコミュニティの交流はどのような場所が中心となっていたのでしょうか。
倉内 当時の大きなイベントとしては「東京メカニカル・キーボードミートアップ」というものがありました。海外の掲示板サイトRedditのキーボードコミュニティのオフ会のようなもので、海外の人の参加も多いイベントでした。お互いのキーボードをもち寄って見せ合いながら交流するという内容で、現在のキーケットとも似ている部分があるかもしれません。
また、キーボードを見せ合う集まりとは別に、「積みキーボードを崩す会」みたいなこともやっていましたね。商品を買ったのはいいけれど、組み立てが面倒で自作キーボードを部品のまま放置して「積んで」しまっている人というのはいまも当時も多いんです。こうした人たちが商品をもち寄って、みんなで一緒にキーボードを組み立てる集まりも行われていました。
遊舎工房の店舗の外にはキーキャップとキースイッチのカプセルトイ(上)が設置されていた。店内にはユニークな形状のキーボードが数多く展示され(下)、実際に触れることで使用感を確認できる
買う・つくる・売るが完結する場所
──オンラインストアから始まった遊舎工房は、2019年1月に早くも秋葉原・末広町に実店舗をオープンしています。非常に早い決断だと思いますが、背景を教えていただけますか。
倉内 キーボードは「触って初めて違いがわかる」道具です。サイズ感や重量、打鍵感など、求めるものはユーザーごとに大きく異なります。ですから、実機に触れられる場の必要性は当初から強く感じていました。いつかは店舗をもちたいと考えていましたが、自作キーボードのムーブメントが想像以上に盛り上がり、取り扱う商品も増えて自宅だけでは手狭になってきた状況も重なり、「少し無理をしてでも、実際に触れられる場所をつくろう」と決断しました。
──現在の遊舎工房は、販売スペースに加えて、組み立て作業ができる工作スペースも併設されています。こうした多機能な店舗の構想は、オープン以前から考えていたのでしょうか。
倉内 実店舗をつくるにあたり、当初から「買う」「つくる」「売る」がひとつの場所で完結する場を用意したいと考えていました。自作キーボードのキットを並べるだけではなく、キースイッチ、キーキャップといったパーツを大量に揃え、それを比較して購入できるように販売スペースは工夫しています。
ファブスペースは、アクリルカットやキーキャップの加工などができる機材のほか、はんだごてやドライバー類の道具も揃えています。自分で設計したキーボードのパーツをつくることから、購入したキットの組み立てまで行うことができる施設です。専門スタッフも常駐しており、手を動かさない程度の簡単なアドバイスであれば無償で対応しています。
──「積みキーボード」にならないようにサポートする環境があるんですね。いまお話しいただいた「買う」と「つくる」の機能とは別の「売る」とはどういうことでしょうか。
倉内 店舗のなかにレンタルスペース(ディスプレイ棚)を設けています。レンタル費を払うことで、月ごとに作家さんらが自分のつくった製品やパーツを自由に展示し、遊舎工房で実際に購入できるようにしています。
今村 自作キーボードのキットを委託販売するほか、より踏み込んで作家さんからライセンスを取得して遊舎工房側で部品調達・パッケージング・在庫管理を一貫して担当して販売する施策も行っています。自分がつくったものを「売る」場所を提供するのはもちろんのこと、ライセンス品のようなケースでは「売る」こと自体を遊舎工房がサポートすることで、作家さんたちが創作に集中できる環境づくりにも寄与していると考えています。
──なるほど。店舗が「買う」「つくる」「売る」という機能が連動するハブのような場所になっているんですね。
今村 そうですね。遊舎工房にはこれらの機能を実現するための、パーツ、設備、マーケットプレイスがあり、それを駆動させるための知識も備わっています。キースイッチを一つひとつ触って選べ、その場で図面からパーツをつくって組み合わせられる店舗は世界を見てもほとんどありません。自分の手で確かめながらつくれる環境があることで、初めての人でも創作を楽しめるようになり、コミュニティ全体の活性化につながっています。店舗自体が「キーボードを自分でつくる」という体験のハードルを下げ、自作キーボード文化のインフラとして機能しているんです。作品が流通し、評価され、次の創作につながる循環もここから生まれています。
遊舎工房の工作スペース。はんだ付けなどをはじめとした組み立て用の道具(上)や、設計図をもとにキーボードのケースとなるアクリルを加工できるレーザーカッター(下)などの機材が用意されている
──ここまでお話を伺ってきて、なぜキーボードをつくる文化がここまで築き上げられてきたのかが改めて気になりました。電子工作の簡単さについては先ほども触れていましたが、他にも要因があるのでしょうか。
今村 大きいのは、キーボードを構成するパーツがモジュール化されている点です。特に決定的だったのが、キースイッチの規格が共通化されたことでした。キースイッチはもともとドイツのチェリー社が開発し、特許も同社が保有していましたが、1990年代のグローバル展開を機に規格が標準化され、キーキャップの設計もそれに合わせて統一されていきました。2000年代に特許が切れると状況は一気に広がり、同じ規格のスイッチをサードパーティが自由に製造できるようになります。中国を中心にメーカーが参入し、現在では何百種類ものスイッチが存在する世界になっています。
さらに、基板設計ツールの普及や3Dプリンターが身近になったことも後押しし、ケースを含むキーボード本体まで個人が小ロットでつくれるようになりました。技術的なハードルが下がったことと、パーツ単位で組み替えられる構造が揃ったことが、自作キーボード文化の広がりを支える土壌になったのだと思います。
上:キーボードの押し心地や押したときの音を決定するキースイッチを比較できるスペース。押したキーに使われているスイッチをディスプレイで確認して購入できる 下:取材当時のレンタルスペース。立体的なキャラクターがキーの上にあしらわれたキーキャップも並んでいた
カスタムではなくクラフトする
──中国が生産拠点となっているというお話がありましたが、海外と日本のコミュニティには違いがあるのでしょうか。
今村 キーボードを「クラフトする」コミュニティがここまで大きく発展しているのは、実は日本くらいなんです。
──といいますと……?
今村 海外、特に中国のキーボードイベントでは、高性能なキーキャップや金属筐体といった改造用のパーツの展示がとても多いです。それは、海外コミュニティのニーズが、自分のキーボードを最高の1台を目指して「カスタムする」ことにあるからなんです。もちろん、日本にもカスタム志向のユーザーは多く存在します。しかしながら、それと並行して、キーボードを自分の手で「クラフトする」コミュニティが大きいのが日本のユニークな点なのです。
こうしたクラフト文化は、カスタム文化とは「宗派」がまったく異なると言ってもいいほどに価値観が違います。クラフト文化が大切にしているのは「キーボードをつくること自体を楽しむ」ということ。ですから、アクリルをカットしてネジで留めたような、手作業の跡が見えるキーボードでもいいわけです。自分で基板を設計したり、独自構造の〈変なキーボード〉をつくってみようという創作的な活動が、日本のキーボード文化を豊かに育んできました。
──キーボードをクラフトする文化が、なぜ日本でだけ成長したのでしょうか。
倉内 同人文化からの影響は大きいかもしれません。2010年代のコミケには自作キーボードの「つくり方の同人誌」を発表している作家の方々もいました。自分たちで手を動かして創作するプロセス自体を楽しむ同人的な活動が、日本の自作キーボード文化の根底にも流れているのではないでしょうか。
今村 こうした文化的背景に加えて、遊舎工房のような、作家たちをサポートできる環境自体が海外にはほとんど整っていないという点も大きいと思います。
──なるほど。おふたりが制作者たちを「プロダクトデザイナー」ではなく「作家」と呼んでいるのも、そうした創作的な面がとても重要だからなのですね。
倉内 そうですね。自作キーボードは、さまざまな人が表現をもち寄る土台になっています。電子工作が得意なら本体をつくり、プログラミングが得意ならファームウェアを書き、アーティストなら独自のキーキャップをつくる。自分のスキルを活かして実用的なものを創作できることが、現在の盛り上がりにつながっているのだと思います。
今村 日本のコミュニティでは、現在も作家さんたちが中心となってトレンドや新たなアイデアを生み出しています。遊舎工房としては、そうした方々による作品が流通しやすい環境を整えることに注力しています。
──近年遊舎工房は、キーケット(共催)やTOKYO KEYBOARD EXPO(主催)など、キーボードコミュニティに向けた大規模なイベントも開催しています。こうした施策はどのような意図なのでしょうか。
今村 自作キーボードのエコシステムにおいてイベントは不可欠なものです。ユニークな製品であればあるほどマスプロダクションには乗りにくいものです。関心をもった人びとに対し、実際に触れてもらう機会をつくることは、作家さんの支援にもつながりますし、コミュニティ全体を盛り上げていくことでもあります。
2025年9月23日に開催された「TOKYO KEYBOARD EXPO」の様子。上海のキーボードショップ「zFrontier」と共催した本イベントには、アジアをはじめ世界各地から50以上のキーボードブランドが集まる国内最大級のキーボード展示・販売イベントとなった(写真提供:遊舎工房)
ニッチな分野で起こる突然変異的イノベーション
──例えば、自作キーボード(入力デバイス)として発表された「Nape」は、2025年9月の東京ゲームショウで中国のメーカーKeychronと共同で商品化することが発表され、話題となりました。個人のものづくりのアイデアが企業のプロダクトへも影響を与えつつある自作キーボードのエコシステムは、今後どのように発展していくと考えますか。
今村 自作キーボードの市場規模は年々拡大しています。ユニークな自作キーボードが同人の枠を越えてマスに届き、ヒットする例も珍しくありません。最近は、同人作家がメーカーの製品開発に参加するケースも増え、同人とメーカーの境界はどんどん曖昧になっています。自作キーボードは、これからますます面白い時代に入っていくと思います。
倉内 自作キーボードの魅力は、個人の試行錯誤がそのまま形になり、思いもよらないアイデアが次々に現れてくる点です。SNSを見ていると、新しい配列や基板が突然投稿され、大きな反響を得ることもよくあります。こうした小さな創作の積み重ねこそ、この領域の楽しさです。遊舎工房としては、そうした動きを支える環境を整えてきました。個人が自由に試せる場があることで、誰が見ても「良い」と感じられるプロダクトが自然に生まれる。ニッチだからこそ固定概念にとらわれず、突然変異のような作品が生まれる余白も大きい。自作キーボード発の創作は、これからもさまざまなかたちで広がっていくと思います。
遊舎工房|住所:東京都台東区上野3-6-10 ユニオンビル1F/営業時間:日~木 12時~19時、金 12時~20時、土 11時~20時/オンラインショップ:https://shop.yushakobo.jp
遊舎工房推薦〈使える個性派〉キーボード5選
コンパクトなものから、最近の自作キーボードヒット商品、ラグジュアリーな究極の一台まで。WORKSIGHT読者に向けて、機能的で使い倒せるキーボードを遊舎工房がセレクト。これらはすべて店頭で実際に触れることが可能なので、秋葉原・末広町を訪れた際はぜひ遊舎工房へ!
1|HelixPico
遊舎工房創業者である倉内誠が設計した分割薄型キーボードHelixのエントリーモデル。基板を保護するアクリル板を自分の好きな柄にカスタマイズすることが可能。
2|Rainy 75
中国のメーカーWOBKEY製。アルミ製のどっしりとしたボディで、安定したタイピングが可能。こだわりぬかれた「雨音」のような心地よい打鍵感は、一度体験するとハマってしまうかも。
3|Keyball39
自作キーボードショップ「白銀ラボ」を運営するヨーキースによる設計。特徴はなんといっても右ボードに付けられたトラックボール。これひとつでポインティング操作も可能。
4|On Any Banana Day
ラッタッタが設計した格子配列キーボード。右手側のキーを斜めに傾けてコンパクトながらタイピングしやすさを追求。遊舎工房がライセンスを取得し、生産・販売を行っている。
5|Corne V4 Chocolate
foostanデザインによる分割キーボードのベストセラーシリーズの最新作。自作キーボードながら、はんだ付け不要で組み立てができる超親切設計。
【WORKSIGHT SURVEY #30】
Q:サポートが整った環境があれば「自作」してみたい?
自作キーボードのコミュニティが広がった背景には、遊舎工房が店舗を“ハブ“として機能させてきたことに加え、キーケットやTOKYO KEYBOARD EXPOといった大規模イベントを継続的に開催してきたことが大きく寄与しています。あなたは、キーボードのような身近な道具について、遊舎工房のようなサポートを受けられる環境があれば自作してみたいと思いますか? みなさんのご意見をお聞かせください。
【WORKSIGHT SURVEY #29】アンケート結果
「記憶のマネジメント」を引き受けるのは誰か【WORKSIGHT最新号『アーカイブする?』巻頭言】(11月18日配信)
Q:「アーカイブ」はできるだけ公共機関が担うべき?
【公共機関】半官半民で実行すべきと思う。例えば「スーパーポテト秋葉原」のレトロゲーセンをはじめ、怪しく魅力的な施設に外国人が殺到しているが、日本人は見向きもしておらず価値を認識できていない。「TOHAKU茶館」のように半官半民で外国人観光客に遡及し、アーカイブと利益を両立できるような施設を作れることが理想だと思う。
【公共機関】社会の記録を利用・後世に伝えるには、第一層として公共機関が担い、責任をもって品質や精度を担保すべきだろう。そこから抜け落ちる記録を、第二層として様々な主体が様々な方式でアーカイブするのは、多様性の観点から好ましいと考える。
【私企業・個人など】多様な主体が担うことによって、レジリエンスが保たれ、記憶のナラティブも多層的で豊かになると思う。公共機関のアーカイブは最も長く堅牢に維持される=信頼できると思いきや、今般そうでもない。
【私企業・個人など】公共機関だけでは賄いきれない思うので、公共機関も含め多様な主体が担わなければならない。
【新刊案内】
photograph by Hironori Kim
書籍『WORKSIGHT[ワークサイト]29号 アーカイブする? Archive?』
データがあふれる時代に、わたしたちは何を未来に伝えるべきなのか。今号では、謎多き個人アーカイブ「Archive of Modern Conflict」や「コクヨの生活社史」プロジェクトの営みをはじめ、企業アーカイブの現在地、“人と知が出会う風景”としての図書館設計、さらには円城塔、ティム・インゴルド、今日マチ子らが語る「アーカイブの哲学」など、「なぜ残すのか」という問いを起点に記録と記憶の関係を見つめ直す。
書名:『WORKSIGHT[ワークサイト]29号 アーカイブする? Archive?』
編集:WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
ISBN:978-4-7615-0937-8
アートディレクション:藤田裕美(FUJITA LLC)
発行日:2025年11月10日(月)
発行:コクヨ株式会社
発売:株式会社学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税
次週12月2日は、次週12月2日は、同月6日よりポレポレ東中野ほか全国で順次公開される「野田真吉特集ーゆきははなである」をご紹介。「考現学」の祖・今和次郎らによる東北農村住宅の実態調査を記録したドキュメンタリー『農村住宅改善』をはじめ、日本人の意識構造の深部を映し続けた映画作家・野田真吉の作品群を、民俗学者・畑中章宏さんによる書き下ろし寄稿とともにひもときます。お楽しみに。




















