韓国ドラマ・K-POPを支えるグラフィックカルチャー:日本は何を学ぶ?
韓国ドラマやK-POPを支えるグラフィックデザインはいかに生み出されているのでしょうか。2022年12月に『K-GRAPHIC INDEX:韓国グラフィックカルチャーの現在』を刊行したばかりの後藤哲也さんにお話を伺いました。
Typojanchi 2015 出展作品「Sajangnim Fighting」。「Corners」によるデザイン(2015)
韓国のエンターテインメントに世界中が注目している現在。映画やドラマ、音楽……さまざまなコンテンツがヒットを記録するなかで、近年はクリエイティブの現場にも光が当たり始めています。例えば映画やドラマのポスターデザインを数多く手掛けるデザインスタジオ「Propaganda」は日本でも知名度が上がっていますし、K-POPシーンにおいても音源やグッズのリリースのたびに多種多様なパッケージデザインがSNS上で話題となります。
世界的な“K”ブームを下支えしているデザインは、どのように生み出されているのでしょうか? 韓国で活躍する22組のデザインスタジオ/デザイナーを紹介する書籍『K-GRAPHIC INDEX:韓国グラフィックカルチャーの現在』を2022年12月に刊行した後藤哲也さんによれば、韓国のグラフィックデザインは2000年代後半以降に独自の発展を遂げたといいます。後藤さんへのインタビューを通じて、彼の地のグラフィックデザインがどのようにして生まれてきたのか、そこからどんな社会が見えてくるのか、注目すべき8つのデザインスタジオやイベントを紹介しながら、考えます。
Interview by Kei Wakabayashi / Shotaro Yamashita
Text by Shunta Ishigami
後藤哲也・編著『K-GRAPHIC INDEX:韓国グラフィックカルチャーの現在』
韓国デザインの礎を築いたX世代デザイナーから、K-MOVIE、K-POPを席巻するミレニアル世代・Z世代まで、2000年代後半以降に独自の発展を遂げてきた韓国のグラフィックデザインの最前線を走るデザイナーたちの仕事と考え方を、社会背景を交えて紹介。日本とは異なる韓国のデザインカルチャーの肌触りを豊富なインタビューから浮き彫りにする、デザイナーのみならず、Kカルチャー好き必読の1冊。グラフィック社刊。
日韓の差異から見えてくるもの
──2022年12月に刊行された『K-GRAPHIC INDEX』はどういった経緯でつくられたのでしょうか。
私は10年前くらいから韓国を訪れていたんですが、韓国のデザイナーは中国や香港など他のアジア圏のデザイナーとは異なる感覚をもっている気がしていました。しばしば韓国は日本と似た国と考えられがちで、たしかに街並みなど似たようなところもありますが、鏡合わせのように見えて実際には異なっている。特にグラフィックデザインの領域では違いが顕著なのに、そのことがあまり日本では知られていないように思い、雑誌『アイデア』で「MIRRORS 鏡の国のグラフィックデザイン」と題して韓国のグラフィックデザインを扱う連載を始め、それが今回の書籍へとつながりました。
──グラフィックデザインにおいてはどんなところが他の国と異なっているんですか?
例えば現在の日本ではグラフィックデザインというとスタイルの話になりがちですが、韓国のグラフィックデザイナーは現代思想や哲学、建築などに通じている方も多く、抽象的な議論も盛んに行われているところが印象的です。日本も1980年代頃まではこの手の議論が盛んだったと思いますが、いまはデザイン=広告のイメージが強く、消費文化のなかに組み込まれているように思います。日本におけるスターデザイナーというと、大きな広告を手掛けているデザイナーであることが多いですよね。
──ただ、アジア圏を見れば日本では早い段階からさまざまなグラフィックデザインの実践が行われていたと思います。韓国のグラフィックデザインは日本から影響を受けていないんでしょうか?
政策として日本文化へのアクセスが閉ざされていたこともあり、他のアジアの国に比べると日本からの影響は小さいと思います。ただ、欧米への留学が難しかった時代には日本が参照先になっていましたし、1980年代初頭〜1990年代中盤に生まれたY世代のなかには海賊版でアニメ『美少女戦士セーラームーン』や『スラムダンク』を観ていた人も非常に多いです。音楽や漫画などサブカルチャーからの影響は大きいかもしれません。とはいえ韓国のグラフィックデザインはむしろ、2000年代後半から2010年代前半にかけてオランダから強く影響を受けていました。オランダを拠点に活動していた韓国人デザイナーたちが、ソウルにその影響をもち帰ったことがその理由です。当時のオランダは文化政策がしっかりしていて、デザイナーが商売っ気を出さずとも生きていけたので、実験的なデザインやコンセプチュアルなデザインが多く生まれていたんです。
1. Propaganda
韓国映画・ドラマのポスターやロゴで有名なデザインスタジオ。映画の仕事では、ロゴを含めた台本のデザインからディレクションがスタートし、デザイナーが配給会社、制作会社、PR会社、監督、時には俳優に向けてプレゼンすることもあるという。
・Webサイト
上:『はちどり』ポスター(2018) 下:『最悪の一日』ポスター(2016)
2. SM Entertainment
韓国エンターテインメント界を代表する企業のクリエイティブ部門では、14名のスタッフが各プロジェクトごとに2〜3名のチームを組み、アルバムジャケットなどのビジュアルを担当している。楽曲を起点に、音楽から浮かぶストーリーを各アーティストのコンセプトに忠実にデザインへ落とし込むそう。
・公式サイト
aespa ヴィジュアル・アイデンティティ(2022)
3. Ordinary People
弘益大学校出身のメンバー4名によるデザインスタジオ。いまではBTSなどのK-POPやテレビ局のビジュアルアイデンティティなど大規模なブランディングも手掛けているが、自律的な活動も重視し、実験的な試みやスタジオメンバー個人の興味を探求する機会を継続的に確保しているという。
・Webサイト
BTS『Proof』アルバム(2022)
4. Hong Eunjoo, Kim Hyungjae
ホン・ウンジュとキム・ヒョンジェはともに国民大学校出身。ホンは作家としても作品を発表し、キムは自身が運営する出版レーベルから雑誌『DOMINO』を発行するなど、それぞれの関心と活動はグラフィックデザインの領域に限定されない。また2人での活動とソロでの活動も区別せずに制作を続けている。
・Webサイト
・ホン・ウンジュInstagram
・キム・ヒョンジェInstagram
『DOMINO #1-7』(2011-2015)
生きる伝説、アン・サンス
──本書ではさまざまなグラフィックデザイナーが取り上げられていますが、広告のような受託仕事だけではなく自身で出版プロジェクトなどを手掛ける人が多いことが印象的でした。
意識が高いデザイナーは出版や書店に関わっていることが多いですね。日本でも人気のあるK-文学の背景には、デザイナーもある程度影響していると思っています。このような流れは、欧米での同様の動きとリンクするものだと思いますが、それだけではなく先人の活動も影響していると思います。代表的なのはアン・サンスというデザイナー。彼は韓国グラフィックデザインの革命児で、書体デザインや出版はもちろんのこと、自身でタイポグラフィの学校まで立ち上げていますし、杉浦康平さんをはじめ日本のデザイナーとも交流があります。
──学校までつくったんですか? すごいですね。
彼は弘益大学の教授を長年務めたあと、坡州という北朝鮮に近い地域で「Paju Typography Institute」というバウハウスのような学校を立ち上げたんです。釜山が映画の街、光州が文化芸術の街とされているように、そのエリアは「坡州出版都市」と名付けられていて、出版のための都市として計画されています。
──いわゆる「美大」以外にも教育機関があるんですね。
デザインを学ぶ人の多くは4年制の大学に通っています。ただ、入学にあたっては共通テストのようなテストを受ける必要もあるため、トップクラスの美大に入るためにはある程度の学力も求められます。日本だと修士課程まで進む人は少ないですが、韓国のミレニアル世代は1/3以上が修士課程まで進みますね。
──韓国は就職活動も競争が激しそうです。
1997年のアジア通貨危機や2000年頃のドットコム・バブル崩壊を受けて、大きな代理店だけでなく小さなデザイン事務所にも仕事が流れるようになったため、いまの30代のなかには在学時から仕事を受けて卒業後に起業したデザイナーも少なくありません。そこからさらに時代が変わり、いまの20代は安定志向が強まっていて、NAVERやSamsung、SM Entertainmentのような大企業のインハウスデザイナーを目指す学生が増えています。
UI/UXへ拡張するグラフィックデザイン
──韓国のドラマや映画のなかには社会の格差やフェミニズムを扱うものも少なくないですが、グラフィックデザインの世界でもそういった問題は意識されているんですか?
そうですね。例えばジェンダーバランスについては日本よりも早い段階から意識されていますし、女性のデザイナーも少なくない。本書で取り上げられているデザイナーも半分以上は女性です。ただ、中東ではまともに稼げない女性の仕事としてグラフィックデザインが位置づけられてしまっていますし、女性が多いからといって必ずしも男女格差が是正されているとは限らない。そのために「WOO!」や「Feminist Designer Social Club」のような運動が行われているのが日本とは異なる点だと言えますね。
──なるほど。実際にクリエイティブの現場では、どのような仕事が行われているのでしょうか。特に近年はウェブやアプリのようなメディアの展開も増えていますし、単にポスターのような紙媒体だけに注力するとデザイナーとして関われる範囲も狭まってしまいそうです。
韓国に限らず世界的な動きだとは思いますが、グラフィックデザインの範疇としてUI/UXを捉える人も増えています。ヨーロッパでもデジタル・グラフィックデザインと題されるようなゼミもあり、グラフィックデザインと同じ思想のもとで紙もデジタルも扱っています。冒頭に日本ではスタイルでグラフィックデザインが語られると言いましたが、欧米そして韓国では、グラフィックデザインは情報を記述するための思考方法──いわゆるデザイン思考とは異なる意味で──と捉えられているため、テクノロジーが進化してもグラフィックデザインはなくならないという考えなんです。
──紙のデザインに慣れ親しんできた世代のデザイナーが教える立場に回ったときに、UI/UXをきちんと扱えるのか疑問も残ります。
これまでの思想や考え方が無効になったわけではありませんし、その人自身が新しいテクノロジーに追いつくこともあれば、テクノロジーの部分は若いスタッフに任せるという人もいます。UI/UXのような領域ではユニバーサル性やグローバル性が求められるので、合理的な近代デザイン思想のある種の到達点だとも言えます。しかし、誰でも同じようにできるようになった結果、作風のようなものが失われていることへの反動もあるように思います。例えば、横尾忠則さんや田名網敬一さんがいまの学生や若い世代にも人気があるように、昔のグラフィックデザインのほうが個性的で面白いと考えている若者も多い。モダンデザインの思想がテクノロジーで加速するにつれて、その反動的な動きも起きているという状況ですね。
5. Sunny Studio
国民大学校在学時に知り合ったパク・チソンとパク・チョルヒが2015年に始めたデザインスタジオ。2人がスタイリング、メイクアップ、写真撮影にいたるすべてのプロセスを手掛け、アートディレクションを行ったシン・ジエの選挙ポスターは、新しい選挙ポスターのデザインを提示したと世間に好意的に受け取られ、日本でもSNSなどで話題になった。
シン・ジエ「ソウル市長選挙」選挙ポスター(2018)
6. Sulki & Min
イェール大学在学中に出会ったチェ・スルギとチェ・ソンミンは、ともにMFA(美術学修士号)を取得後、オランダのマーストリヒトで働いたのち、2005年に韓国に帰国。同年よりソウルを拠点に活動を始め、そのコンセプチュアルなアプローチや国際的な活動などはその後の韓国グラフィックの発展に大きな影響を与えた。
・Webサイト
Festival Bo:m「Festival Bo:m」ポスター(2013)
7. workroom
商業出版社でのキャリアをもった編集者が在籍するworkroomは、グラフィックデザイン・スタジオであり、出版社でもある。前項のSulki & Minとは2008年ごろに知り合ったといい、いまでは互いに重要なコラボレーターであるだけでなく、Workroom Specterというビルを共同出資して建て、揃って入居している。
・Webサイト
「韓国で最も美しい本」展示企画(2002)
8. Typojanchi
行政の文化体育観光部が主催し、韓国クラフト&デザイン財団が監修する国際デザインイベント。 2001年、タイポグラフィをテーマにした当時唯一の国際イベントとして第1回が行われ、2011年からは国際ビエンナーレとして開催されている。現代における時代と社会問題をさまざまな視覚言語でとらえ、デザイン文化の影響力を拡大し、交流する場となっている。
・Webサイト
グローバルな文脈との接続
──韓国では家電メーカーが早い段階からデザインラボをつくっていましたし、日本のような作家主義を通らずグラフィックデザインが産業化されていったようにも思えます。そんな状況で個人のアトリエを構えたりインディペンデントな出版プロジェクトを立ち上げたりすることは、新自由主義的な社会へ抵抗するための選択肢なのかもしれません。
放っておくと新自由主義的な思想が強まり「勝つためのデザイン」みたいな話が始まってしまうので、それとは異なる文化を守るための抵抗という側面はありそうです。書店もたくさんできてはたくさん潰れているので大変な状況ではありますが、韓国のデザイナーは海外への意識も強いので勉強熱心ですし、一定の読者はいるのでなんとか生きながらえている感じでしょうか。グラフィックデザインの領域で世界的に読まれている本が日本ではぜんぜん翻訳されていませんが、韓国ではある程度きちんと紹介されていますからね。
──例えばどういったものが紹介されているんですか?
例えば『A *New* Program for Graphic Design』や『CAPS LOCK』といった書籍は、ここ数年世界のグラフィックデザイナーに読まれている本ですが、日本では翻訳されていません。私としても翻訳して紹介したいものはたくさんあるのですが、出版社からすると日本では売れないから出せないという判断になってしまうらしく……。
──そうなると日本より韓国のほうがグローバルの文脈ともつながっているのでしょうか。
韓国ではアン・サンスさんの提唱により「Typojanchi」というタイポグラフィの国際的なビエンナーレも開催されています。コロナ禍以前はカッティングエッジなデザイナーが世界中から参加していましたし、映画産業において釜山国際映画祭が東アジアのハブになっているように、Typojanchiは教育の場でもありグローバルな交流の場としても機能していました。
──特にタイポグラフィの世界だと国や言語、文化の差異も際立ちそうです。
特にハングルは起源が明確にわかる珍しい文字ですし、韓国固有の文化としてハングルを扱いながらタイポグラフィを考えているような側面もあります。政府が主体となりビエンナーレを実現したのもハングルの存在が大きいでしょう。ただ、それが愛国的な思想につながる恐れはありますし、私の友人のなかにも必要以上の意味をハングルに見いださないと考える人もいます。
世界的な“K”ブームの先へ向かって
──日本では韓国ドラマのポスターやK-POPのパッケージがかっこいいと話題になることも多いですが、韓国の方々にとっても韓国ドラマ・K-POPの世界的なバズは誇らしいものなんでしょうか。
私と同世代のデザイナーたちは「自分はK-POPを聴いているわけじゃないけど……」と前置きを入れるなど、少し距離を置いて語るべき文化として評価していますね。ただ、30代くらいまでのデザイナーであればK-POPを誇るべき文化と考えているようです。実際に自分たちも仕事として関わっているし海外にも紹介されやすいので、べつに距離を置く必要はない、と。ただ、世代を問わずみんなNewJeansのことは嬉しそうに語りますね(笑)。90〜00年代に青春時代を過ごしたX、Y世代には懐かしさを感じさせながら、Z世代には新しい。クリエイティブディレクターのミン・ヒジンさんのディレクションはさすがですね。CDのパッケージもとても魅力的です。
──K-POPのデザインを考える上で、ミン・ヒジンさんはスターのような存在と言えそうです。
ただ、今回の書籍で紹介しているデザイナーとはコミュニティが違いますし、彼女はいわゆる「グラフィックデザイン」の領域とは少し異なる世界で才能を開花させた感じかもしれません。スターではありますが、ほとんどのデザイナーは会ったこともないし接点もないでしょうから。
──広告だけでなく、芸能の世界ともグラフィックデザインは分かれているわけですね。
ただ、本書の前半に登場する「Ordinary People」の面々や「SUUUB SERVICES」のチェ・スビンさんはK-POPの領域でも活発に活動しています。グラフィックデザイナーからするとK-POPの仕事はすごくやりがいがあるそうです。通常の仕事でグラフィックデザインが注目されることは少ないけれど、K-POPの場合はこれまでの人生で経験したことないくらい多くの反応がファンから返ってくるんだ、と。ティーンエイジャーを中心としたファン層からいいねやコメントがつくものをどうやってつくるのか、SNS的なデザインに取り組めることはグラフィックデザイナーとしても面白いのでしょう。
──もっとも、韓国ドラマやK-POPの世界的な盛り上がりがずっと続くわけではないようにも思えます。デザイナーからすると不安もあるのでは?
将来への不安はあるでしょうね。それは彼・彼女らがK-Cultureの仕事に依存しているからというわけではなく、社会構造的な問題としてですが。時代の変化を考えていくと、今回のような本を10年後につくることは難しいのかもしれません。さらに教育の現場に目を向けてみると、近年はアメリカのように学生から教員への突き上げが激しくなり学生と上の世代の交流が生まれにくくなっているとも聞きますし、インディペンデントで面白いことをやる人が10〜20年後もいるのかという不安もあります。ただ、いまのように世界的な注目が高まりピークを迎えている状況から韓国のグラフィックデザインがどう変化していくのか、非常に興味深いです。
──そういった変化をたどることは、日本のグラフィックデザインを考える上でも意味があるのかもしれません。
海外に興味をもつ日本の若者が減っていったように、K-POPがこれだけ世界的なものになると韓国の文化も自家中毒的になってしまう恐れはある気がしています。私としても「韓国のデザインはすごいぞ」と誇示するような気持ちで今回の本をつくったわけではないので、韓国の現状を知ることで「じゃあ日本でこれから自分たちは何ができるのか?」を考えていくきっかけにしてもらえたらと考えています。
後藤哲也|Tetsuya Goto デザイナー/キュレーター/エディター。大阪を拠点にグラフィックデザインの実践と研究を行う。著書にアジアのグラフィックデザイナーを特集した『アイデア別冊 Yellow Pages』(誠文堂新光社)など。ソウル国際タイポグラフィビエンナーレ「Typojanchi」では2013年と2015年にキュレーターを務める。近畿大学文芸学部准教授/大阪芸術大学デザイン学科客員教授。
【近日発売・新刊のご案内】
書籍『WORKSIGHT [ワークサイト] 18号 われらゾンビ We Zombies』
ゾンビは、その発祥から資本主義と深く関わってきた。カリブ海のプランテーションから、消費資本主義、グローバル資本主義、金融資本主義と、資本主義が進化するに連れてゾンビも進化する。そのとき、ゾンビは、単なる比喩を超えて、わたしたちそのものの姿となる。ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロから、『新感染 ファイナル・エクスプレス』『今、私たちの学校は...』などの世界を席巻する「韓国ゾンビ」まで。ゾンビを知ることは、わたしたち自身を知ることなのかもしれない。
■書籍詳細
書名:『WORKSIGHT[ワークサイト]18号 われらゾンビ We Zombies』
編集:WORKSIGHT編集部
ISBN:978-4-7615-0923-1
アートディレクション:藤田裕美
発売日:2023年1月31日(火)
発行:コクヨ
発売:学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税
次週1月24日は「ころがる先は、ポストスポーツ:ボウリングとアメリカ社会」をお届けします。ホワイトハウスのボウリング場から、ボウリングの系譜にある次世代型スポーツまで、慶應義塾大学でアメリカ文化を研究されている鈴木透教授にお話を伺います。お楽しみに。