次の返済日は集まって何をしよう?:“村のお母さんたち”が運営する金融組織「マザーバンク」
世界中の至るところに、民間の人びとによる相互扶助的な組織やグループは存在する。ただ、インドネシアの農村で立ち上げられた、母親たちによるモバイルバンキング「マザーバンク」は、あまり他にはない特色をもっているかもしれない。金利ゼロでの貸付や農作物の栽培などの他に、なんとマザーバンクメンバーはバンド活動も行っているというのだ。その営みの詳細を、文化人類学者とともに訊ねた。
『Jalan-Jalan』という楽曲のミュージックビデオ制作時の、Mother Bankの面々。撮影場所は、メンバーたちが普段商売をしている「Kuliner Wakare」というスペース。本文中で言及される土地収奪の歴史を踏まえて設立された歴史博物館「Museum Wakare」の隣に位置しており、マザーバンクがイベントの開催や料理の販売などを行っている場所だ photograph courtesy of Mother Bank
「Mother Bank」(マザーバンク)はコロナ禍のさなかに立ち上がった、インドネシア西ジャワ州の農村に住む母親たちによる・母親たちのためのモバイルバンキングの試みだ。彼女たちは、長年の間金融リテラシーを学ぶ機会がなく、まとまった金額が必要なときは地域の高利貸しから融資を得るしか手段をもたなかった。
だがマザーバンクができてからは、メンバー自身が資金を共同管理し、金利ゼロで貸付を行っている。さらには、農作物の栽培・加工・販売、ミュージシャンとして国内各地でライブをするなど、メンバーがともに学び、成長する場に発展しているという。“村のお母さんたち”が織りなすローカルなエコシステムについて、相互扶助組織を長年調査対象としてきた文化人類学者の平野美佐さんとともに、マザーバンクメンバーと設立に関わったブンガ・シアギアンさんに話を聞いた。
interview and text by Natsuko Osugi
Bunga Siagian キュレーター・Badan Kajian Pertanahan創設者。ドリヤルカラ哲学大学で学んだのち、ジャカルタ国際ドキュメンタリー映画祭のキュレーターを務める。現在は映像文化や土地問題に関する研究・執筆を行う
Mother Bank ジャワ島中部のマジャレンカ県・ウェイツ村発の相互扶助グループ・金融機関・音楽バンド。2024年11月現在、12名の女性メンバーから構成される
平野美佐|Misa Hirano 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・教員。長年カメルーン・ヤウンデに暮らすエスニック・グループであるバミレケの文化人類学的研究に従事。近年は貨幣とコミュニティ形成の関係性への関心から、沖縄の模合(頼母子講)の調査・研究を行う
コロナ禍の苦境、見いだした活路
マザーバンクが西ジャワ州・ウェイツ村で結成されたのは2021年。世界各地で新型コロナウイルスが蔓延するなか、インドネシアは東南アジアで最大規模の感染状況にあったとされ、経済システムの崩壊により全国で失業が相次いだ。ウェイツ村もまた、都市部からのUターン組も含めて住民たちは仕事を失い、最も状況がひどいときには人口の9割が定職に就いていなかったという。
そんな折、家庭をもつ女性たちが融資を受けていたのは、「emok(エモック)銀行」と呼ばれる西ジャワのローカルな金融システムだ。“銀行”と名が付いているが正式に登記された金融機関ではなく、個人あるいは団体によって運用される。「emok」とは「足を組んで座る」という現地言語・スンダ語の単語に由来し、職員が顧客の家に直接訪問して座談の場をもちながら、融資や返済手続きを行う。借入金の使途は基本的に事業目的に限定され、ウェイツ村のような農村では、主に飲食物の販売や耕作などの小規模ビジネスを始めるときに活用される。だが実際には、子どもの教育費や生活費など、家庭の緊急ニーズに用いられることも多い。
利用者にとって、エモック銀行の最大のメリットは、簡単な家庭調査や身分証明書の提示のみで即座に資金を借りられること。高い金利にもかかわらず利用者が絶えないのはそのためだ。結果、返済難に陥るトラブルが多発し、エモック銀行の利用をめぐる家庭不和から離婚に至るケースもある。近年では地元メディアや法律家等の研究者らがそのリスクを指摘し、利用を差し控えるよう呼びかける声が数多く上がっている。
マザーバンクの結成の経緯に話を戻そう。設立者のブンガさんは、主たるメンバーである母親たちから見ると娘の世代にあたる。大学で哲学を修めた後、映画祭のキュレーションに従事し、2021年当時からパートナーのイスマルさんとともに土地と文化に関する研究活動を行っている。彼らはコロナ禍の直前、イギリスのワイシング・アーツ・センターから支援を受け、アーティスト・イン・レジデンスへの参加を予定していた。すでに渡航のための補助金を得ていたが、コロナ禍によってプログラム自体が中止となってしまい、資金が宙に浮いた状態となった。世界のあちこちの地域コミュニティで起きていた状況と同様に、ブンガさんたちも村からの移動が大きく制限され、母親世代の女性たちが経済的に困窮する状況に直面することになった。
そこでブンガさんは、本来渡航費として使われるはずだった補助金を元手に、女性たち自身の経済的自立を支援するプログラムとしてマザーバンクを立ち上げた。ちなみに、インドネシアには「Arisan」(アリサン)と呼ばれる、コミュニティの親睦と相互扶助を目的とした集会がある。一般的なアリサンのルールは、女性たちが定期的に集まって各自が少額の現金を供出し、くじ引きを行う。当選者はその場で全額をもち帰り、全員が当選するまで抽選を一巡させるというものだ。ただ、マザーバンクはアリサンをヒントにしたのかと問うと、その影響は受けていないという。
それよりも、以前より地域の自治会で続いていた、「ゴトン・ロヨン」に基づく互助の考え方が根底にあったとブンガさんは話す。ゴトン・ロヨンとは、農村での助け合いに端を発する、インドネシアの相互扶助習慣のこと。スカルノ政権時に建国五原則を包摂することばとして用いられるなど、政治的言説に援用されることも多いものではあるが、それをマザーバンクでは民衆の自律的な精神を示す概念として積極的に用いたということになる。
「政府は頼りになりませんでした。危機を乗り越えるには住民同士で助け合う『ゴトン・ロヨン』の精神でやっていくしかない、と考えていました」
zoomインタビュー時のブンガさん(上)と、メンバーたち。画面の向こうでは母親たちの賑やかな声が響き合っていた screen shot by WORKSIGHT
マザーバンクの融資の仕組みは、年に1回、10カ月を1期と定めて貸付を行うというものだ。返済は40回分割払いで、利子はかからない。週1回、メンバーが集まるタイミングで返済を行うが、経済的な事情で用意できない場合は、相談の上、支払いを遅らせることもできる。借入金の用途については、エモック銀行とは異なり事業用資金に限定しておらず、ビジネスのほか、医療や教育、子の就職支援といった目的にも利用できる。なお、いずれの用途においても緊急性が高いと判断された場合に限り、融資が決定される。これまで、各家庭が喫緊の経済ニーズをもっぱらエモック銀行に頼ってきたことを踏まえると、マザーバンクはオルタナティブとしての役割を強く意識しているといえるだろう。
また彼女たちは、グループとしての活動を行うことを必須としている。エモック銀行では、即日貸付とはいえ事務手続きに長い時間をかけるのに対し、マザーバンクはその時間をメンバー自身のために有意義に使おうというわけだ。
カメルーンの首都ヤウンデに暮らすバミレケというエスニック・グループの経済活動や、沖縄の模合(頼母子講)の調査などを行ってきた平野さんは、マザーバンクの話を聞きながらこう感じたという。
「自分たちで資金を運用して貸付を行う点、またお金のやりとりを中心にして参加者をエンパワーメントしていく点で、アフリカ、特にブルキナファソのマイクロファイナンスの事例に似ていると感じました。ブルキナファソの農村では、ヨーロッパ系の支援団体が入り、資金提供とその運用方法、エンパワーメントのための活動を教えて、自立を目指すパッケージ型の支援が行われていました。しばらくすると、その手法を学んだ女性たちが、自己資金でマイクロファイナンスとグループ活動をするようになったのです(神代ちひろ2014「マイクロファイナンスを『創り出す』 ブルキナファソ農村における女性住民組織の事例から」、『アフリカ研究』84号)。一方でマザーバンクは、外部からの介入ではなく同じ村のなかで発案され、メンバーが自発的に多様な活動に取り組んでいる点が特徴的だと思います」
次に、マザーバンクがグループの規約に掲げる加入要件・目標をもとに、彼女たちの活動をより詳しく見ていこう。
平野(野元)美佐著『沖縄のもあい大研究:模合をめぐるお金、助け合い、親睦の人類学』(ボーダーインク、2023年) photograph by WORKSIGHT
暮らすこと、バンドで活動すること
マザーバンクでは、加入希望者に求める要件と活動目標を以下の通り定めている。
【加入要件】
・ウェイツ村の住民であること
・マザーバンクの活動に時間とエネルギーを注げること
・学ぶことや知識の共有に前向きなこと
・ウェイツ村の発展に取り組む意志があること
・マザーバンクとしての収入の一部が、村の文化活動に使われることに合意すること
【活動目標】
・集団での取り組みによる、ウェイツ村の⼥性たちの経済的自⽴
・コミュニティと⼟地の間に強いつながりを育む
・住民が村の発展についてのポジティブな物語を⽣み出す
・マザーバンクが、⼥性の教育と自⼰啓発のプラットフォームとして発展する
・文化活動を通じて、住民が自分たちの⼟地の権利を主張できる状態
単に金銭的な相互扶助を行うだけでなく、地域の発展のためにアイディアを出し合い、プロジェクトとして実行することが明記され、ウェイツ村住民、特に女性のエンパワーメントを強く意識した内容といえる。これまで打ち出された活動は、農作物生産、植林などがあるが、とりわけマザーバンクの存在を広く知らしめることになったのが、音楽バンドとしての活動だ。
彼女たちはショッキングピンクの衣装にサングラスという出で立ちで、地元の瓦職人の手でつくられる、陶器でできた楽器を携えステージに立つ。マザーバンクでの活動以前に音楽経験のあるメンバーはいなかったというが、2023年、インドネシア国内の先進的な音楽グループを取り扱うインディーズレーベル「Yes No Wave Music」からアルバムを発売、2024年はジャカルタで行われる数万人規模の多ジャンル音楽イベント『Synchronize Festival』に出演するなど、着実に人気と知名度を上げている。
一方で、活動領域は広がっても、マザーバンクは一貫して、彼女たち自身の経験に基づく村での生活をテーマとした楽曲を発表している。メンバーが共同で制作する歌詞はインドネシア語とスンダ語が混じり合い、アルバム収録曲『Pabrik』は稲田が工場へ変わり家族の生活が変容する様子を、『Menanam』ではキャッサバ栽培・加工を楽しむ様子を歌う。ただ、彼女たちの結成意図や活動目的を最も明確に表現している曲は、代表曲でもある『Jalan-Jalan』だろう。その歌詞は、金融機関への支払いが終わらない状況を嘆く独白から始まる。
Jalan-jalan ke tepi pantai(海辺へ散歩に行く)
Pulang-pulang dihadang badai(帰り道、嵐に遭遇する)
Hati siapa yang tidak gontai?(動揺しない人はいるだろうか?)
Cicilan ke bank tak kunjung usai(銀行への返済が終わらない)
続いて、日々の借金返済や利子の支払いの負担の辛さが綴られた後で、曲は次のようなリフレインで締めくくられる。
Marilah kita maju bersama(さあ、一緒に前進しよう)
Makmurkan desa, bukan bayar bunga(村を豊かにしよう、利子を払うのではなく)
先に掲げた加入要件・活動目標にもいえることだが、この曲の歌詞もまた、家計の悩みから始まり、村全体が繁栄する未来へと着地していく。個人の経済的自由の獲得や、あるいは所属するコミュニティ=マザーバンクの成長に留まらず、広く「村」というコミュニティ全体を射程に捉えているのはなぜなのか。ブンガさんにその意図を問うと、思いがけない答えが返ってきた。
上:『Jalan-Jalan』のミュージック・ビデオ。この衣装はマザーバンクのアイデンティティのひとつであり、ステージに立つときの彼らの特徴的なトレードマークとなっている 下:バンドの稽古時の様子 photograph by Yoppy Pieter
住民と土地の“歴史”を前進させるために
ウェイツ村は、行政単位としては政府から認定を受けているものの、居住区画の土地については住民による所有が認められていない。実際に戦前から現在までこの地に暮らしていながら、現行の法律上、住民たちは土地を不法占拠している状態なのだという。その背景にある歴史について、ブンガさんは続ける。
「日本の植民地時代、ジャティワンギにある7つの村に日本の旗が立てられました。ウェイツ村もそのひとつです。村の敷地は軍用地として接収されました。その後、日本は敗戦し軍は撤退しましたが、今度はインドネシア空軍がこれらの土地の所有権を主張し始めました。土地の権利をめぐり、住民と空軍の間の係争がいまも続いています」
日本軍による占領が争いの起源であることを、そしてこの取材の場が意味することを知り、同時に自分たちの無知に気付かされた。ウェイツ村の住民にとって、数十年にわたって続く土地をめぐる課題の解決が、今後の村の存続と繁栄には不可欠ということだ。そのためには、マザーバンクのメンバーを含めた住民たちが、利息の支払いを心配しながら目の前の生活に追われることなく、村の将来のためにともに行動しなければならない。
マザーバンク結成に先立つ2017年、ブンガさんとイスマルさんは、土地問題と文化的景観に関するリサーチ・実践を行うプロジェクト「Badan Kajian Pertanahan(バダン・カジアン・ペルタナハン)」を立ち上げた。「土地調査庁」を意味する名称は、「Badan Pertanahan Nasional」(国土庁)を意図的に模倣したものだ。土地の証明書を模したアート作品の制作や、黒米の植生・収穫を通じた土地利用のアクティビティなど、市井の人びとを巻き込んだ活動を続けており、マザーバンクもプロジェクトの一環として位置づけられている。
こうした背景を特に明確に表現した曲が、日本軍から村を追われた歴史を歌った『Wakare』だ。タイトルと歌詞に登場する「wakare」は日本語の「別れ」に由来するが、これは住民たちが村を退去させられる際、日本人がこのことばを使ったことにちなんだものだ。そして、曲の終わりには『Jalan-Jalan』と同じく、村の再建のため住民に奮起を促すことばが綴られる。過去の支配の歴史を忘れないために支配者側の言語を利用することは、その言語を母語とする側(つまりは筆者たち日本人)にも、記憶・記録の継承と内省を静かに促す。彼女たちが今回のインタビューを受け入れ、マザーバンクの結成に深く関わる土地の由来を伝えてくれたことに、感謝したい。
2023年7月に演奏された『Wakare』のライブ映像
「母たちの銀行」が変えたもの
ここまでマザーバンクの金融組織、あるいは地域コミュニティとしてのあり方を見てきたが、メンバー自身にとっては、マザーバンクへの参加はどんな意味をもつのだろうか。メンバーのひとりは言う。
「まず、経済的な支援を受けられたことが大きいです。そして専門的な知識をもった、すぐれた人びとと一緒に活動ができるようになりました。専門的な知識というのは例えば資金運用だったり、古着のリメイク方法だったり、シンコン(キャッサバ芋)の製粉方法やMSG(化学調味料)を使わない調理方法などです。また、近隣住民たちとの関係性がより強くなりましたし、家族との関係性も良くなりました」
経済的自立とイニシアティブの獲得、どちらの要素が大きいかを問うと、「開始当初から現在まで両方とも同じくらい大切で、切り離せないことだと考えている」という。長年、母親として家庭を守ることに専念してきたこともあり、マザーバンクへの参加当初は、家族から反対を受けるメンバーも多かったようだ。だが彼女たちが、専門知識をもつ協力者から知識や技術を学び、試行錯誤を重ねながら表現を続ける様子を見て、次第に周囲の見る目も変化していった。メディア露出により注目を集めたことも多少なりとも影響しているとはいえ、彼女たち自身の活き活きした表情を目にして、家族も徐々に活動の趣旨を理解し、応援してくれることが増えていったという。
ウェイツ村において、マザーバンクの活動がローカルな金融取引や女性の役割に変化をもたらしつつあるいま、今後村外も含めた展開をどのように考えているのか、ブンガさんに聞いた。
「マザーバンクは始まったばかりですが、規模を拡大していけばエモック銀行に代わる手段になりえると思います。いまは自分たちの資金でのみ運営していますが、今後は外部からの資金を得ていきたい。具体的には、インドネシア政府が女性の活躍を支援するため、地方自治体に10億ドルの資金提供を行うプログラムがあります。現在はパイロットプロジェクトとして、近隣のジャティスラ村での実践を計画していますが、将来的には国内各地の村で、マザーバンクと同様の仕組みを導入したいと考えています」
マザーバンクの面々の話を傾聴していた平野さんは、取材後にこのようにコメントしてくれた。
「マザーバンクは利子を取らない分、バンドや農業など、さまざまな活動で資金を増やしていく必要があり、そうした点では規模の拡大はなかなか長い道のりかもしれません。一方で、これはカメルーンの『トンチン』、沖縄の『頼母子講』とも共通していますが、マザーバンクは一人ひとりがファンドの担い手として、自立して運用に関わっている。さらに、音楽活動というアートと金融が一緒になっていることは世界的に見てもユニークです。マザーバンクはメンバー同士の相互扶助だけではなく、村の発展という、より大きなものを目指しているため、一人ひとりのメンバーが抱えるものは大きいといえます。しかし彼女たちは、この活動を楽しみながら続けていることが素晴らしいと思います。この取材を通して、金融がもつ新たな可能性を感じることができました」
マザーバンクは自らを、「顧客であり投資家」と位置づける。ウェイツ村は過去、土地の権利、資金の融資いずれにおいても一方的に不当な立場に置かれてきた。その共同体のなかで当然視されていたシステムを再考し、自分たちに主体性を取り戻すことで、マザーバンクは選びうる選択肢の数を着実に増やしてきたのだ。“銀行”としてカネの貸し借りを根幹としながらも、周縁的な活動が方々に枝葉を伸ばし、新たなエネルギーを取り込んで、村という“森”を豊かにしていく。係争中の7つの村はもちろんのこと、この有機的な金融組織が他の共同体にも伝播し、土地の様相を塗り替えていくことを期待したい。
マザーバンク、Tampil di PestaPora Festival 2023出演時のステージ photograph courtesy of Mother Bank
次週12月10日は、コンピュータープログラムによる現代的な言語遊戯、その名も「難解プログラミング言語」の魅惑的な世界をご紹介します。インタビューに答えてくれたのは、この実用性を度外視したジョークのような言語に惹き込まれ、自身も制作をしながら長年探究を続けるアーティスト、ダニエル・テムキン氏。聞き手は、プログラマーでありアーティストでもあるucnv氏。ともにグリッチアートに立脚して活動するふたりの対話から見えてくる、新たな創造の領域とは。お楽しみに。
【新刊案内】
photograph by Leo Arimoto
書籍『WORKSIGHT[ワークサイト]25号 アジアのほう Towards Asia』
わたしたちはずっと西に憧れ、西を目指してきた。しかし時代は変わり、カルチャーの新しい潮流はアジアから生まれつつある──。今号では、人気バンド「幾何学模様」のメンバーであり、音楽レーベル「Guruguru Brain」を運営するGo Kurosawaをゲストエディターとして迎え、〈アジアがアジアを見る〉新たな時代の手がかりを探る。
◉新しいアジアのサイケデリクス
選=Go Kurosawa
◉巻頭言 ひとつに収束しない物語
文=山下正太郎(WORKSIGHT編集長)
◉アジアのほう
対談 TaiTan(Dos Monos)× Go Kurosawa(Guruguru Brain)
◉イースタンユースの夜明け
Eastern Margins/bié Records/Yellow Fang/Orange Cliff Records/Yao Jui-Chung
◉北京のインディ番長、阿佐ヶ谷に現る
mogumogu から広がるオルタナティブ・コミュニティ
◉Dirt-Roots
サッカーでつながるコレクティブ
◉アジアンデザイナーたちの独立系エディトリアルズ
◉テラヤマ・ヨコオ・YMO
中国で愛される日本のアングラ/サブカル
◉百年の彷徨
アジアを旅した者による本の年代記
◉ロスト・イン・リアリティ
MOTEのアジアンクラブ漂流記2018/2024
書名:『WORKSIGHT[ワークサイト]25号 アジアのほう Towards Asia』
編集:WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
ISBN:978-4-7615-0932-3
アートディレクション:藤田裕美(FUJITA LLC.)
発行日:2024年11月13日(水)
発行:コクヨ株式会社
発売:株式会社学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税